休日ニッキ

昼、表参道へ買い物に出た。
マフラーを買うつもりで出かけたが、結局ニット帽を買った。小物はキリがない。
疲れたのでカフェに入った。ホットサンドとアップルタイザーを頼み、一休み。
スタイルのいいグラスに注がれたサイダーをぼんやりと眺める。


しばらくして、鞄から文庫を取り出し、黙々と読書に耽った。
外に出た僕は大抵耳にイヤフォンをしている。人込みはパンクしそうになるのだ。神経質って致命的な欠陥だと思う。


どのくらいの時間が経ったのだろう。店内の空調に程よく暖められ、色っぽいグラスがきれいに汗を掻き始めた頃だ。イヤフォンから流れるトラックがなめらかなワルツに変わった。確か、映画のアルバムか何かだったような気がする。


気分が良くなり外に出る。いつの間にか、冬の空から太陽が姿を消していた。代わりに現れたのはサイダーの泡のようシュワシュワと輝く星々。 こっそりとステップを踏みながら駅を目指す。


夕飯はフィッシュフライに春菊のマスタードサラダ。偉大なる母の手料理である。
ずぼらな彼女は、凝ったモノを作るのは苦手だが、シンプルな味付けには定評がある。
ビールがなかったので、家で常備しているテーブルワインにウィルキンソンのサイダーを割って飲んだ。これが中々いける。


自室に戻ってから初めて、今日一日、時計と携帯を持っていなかったことに気付く。
革張りのソファは程よくヒンヤリしていて、ほろ酔いのほてった身体に心地よい。
ぼくは一つ大きなあくびをした。


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