リア充とは何か

バイト先に、「超楽しい」をガンガン口にする男がいます。
たとえば、
「夏休みあっという間でしたね。どうでした?」
「うん!もう超楽しかったww今も超楽しいけどwwwww」
みたいな具合で、いつ見てもシャブでもやってるんじゃないかってくらい陽気なんです。
何なんだこいつは、と。
最初は僕も、無理してんだろうなー必死だなーって冷めた見方してたわけです。
彼女もずっといないらしいし、顔だって取り立てて格好良くない。
でも彼、僕が見る限り5月ぐらいからずっと楽しい楽しい言ってる。
そういう姿を見ているとですね、ひょっとしてマジで楽しんでるんじゃないかって思えてくるんですよ。
そうなると今度は自分も楽しみたいから、どうやったら楽しくなれるのか考えるようになる。
とりあえず楽しそうにしてる人のそばにいこうって、自然と彼のまわりにいる時間が長くなる。
多分他の人もそんな感じなんでしょうね。
彼のまわりにはいつも誰かしらがいて賑やかなんです。


一生懸命なのを必死だなって嘲笑うのは優越感を感じる一番手軽な手段じゃないですか。
後ろ向きな言葉を借りて遊ぶのって楽しいですよ。
楽しいけど、借りもので遊んでるつもりがいつのまにか本当に自分自身の言葉になってしまってるときがある。
これは洒落にならないです。


どうせ言葉で遊ぶなら「超楽しいwwww超幸せwwwwww」
とか言ってアホのふりをしてた方がいいと思いません?
いつのまにか本当に自分自身の言葉になってしまうのだとしたら、そっちの方がよっぽど賢い生き方じゃないかなって。冒頭の彼をみてると思うわけです。
必死で何が悪いんだと。それこそ人間いつか必ず死ぬんですから。
必死で生きてナンボなんです。きっと。
そんな生き方こそがリア充って呼ばれる生き方なんでしょうね。


さて、今日はクリスマスイヴだけど焼肉屋さんでバイトです。
カップルがこってり濃厚セックスを楽しむ前に、精をつけるべく来店するはずです。
キムチ臭い獣じみたおセックスをなさるんでしょうね、きっと。
カフェのアルバイトの方でもハイミス店長と童貞バイト×2が頑張って働いているようです。
大量に在籍しているはずの女子大生たちは皆お休みです。
神隠しにでもあったかのように綺麗さっぱりシフトがえぐれています。
きっとあの子もあの子もあの子も彼氏とデート中なのでしょう。
女子中女子高出身で大学ラグビー部のマネージャーになっちゃった19歳の処女は今日、はじめて出来た彼氏(四年生の先輩)の家でお泊りデートだそうです。
イルミネーションが見たいけど、彼氏が人ごみ苦手だから、機嫌を損ねたくなくてお家デートなんだそうです。


……。
た、たのしいなー。
クリスマス、たのし…
うあああああああああああああああああああああああああああ
楽しいわけあるか糞が!!!
前向きでいられるか畜生!!!
なんなんだよもう!!!なんで派遣バイトのメールしかこねぇんだよ!!!
家電の運送助手!?宅急便の仕分け!?成人向けマンガ雑誌の検品作業?!
何が悲しくてそんなお仕事紹介されなきゃいけねぇんだよ!!
暇であることを見透かしたかのようなTSUTAYAメールマガジンもやめろよ!!
糞糞糞!!!


た、たのしいなー。
超たのしいなー。
………。