カズハとまみ-外伝-

カズハとは最寄り駅が一緒である。
だから、帰りの電車内、嫌でもサシで喋らなきゃいけない場合がある。
昨日がちょうどそのサシの日にあたった。話題に困った僕は、仲良しで知られている三十路コンビの片割れ、まみについての話を振ってみたのだった。直前まで一緒にいたし。


まみは最近も相変わらず痛い。今日もバイト中、また面白痛いことを口走っていた。
その言動を振り返り、思い出し笑いでカズハがツッコミを入れたのだ。
もっともだったので、僕はつい、うなずき笑ってしまった。
どうやら僕がふいに手をかけたのはカズハの負の引き出しだったらしい。
カズハは調子にのった。
ライバルであるマミの陰口で僕が笑ったことに気を良くし、そこからは朝青龍の開幕7連勝を彷彿とさせる怒濤の陰口ラッシュラッシュパトラッシュ。わん。


挙げ句の果て、目的の駅についてからは、興奮が飛び火したのか、新しく入ってきた正社員についての駄目だしラッシュラッシュパト(ry

正直とても胃がもたれた。
それこそ、もう陰口はごっちゃんですってな具合である。


ぼくは口が悪い。自覚はある。だが人を悪くいう時は必ずそれを笑いに転化することを忘れない。
…時々忘れていることもあるが基本的には心掛けてる。
笑えない悪口ほど救いのないものはないし、これを捲し立てる人の顔ほど醜いものはない。時々ぼくはそう思うのだ。


最近カズハはダイエットに励んでいるそうです。
どうか彼女がぶっっくり肥りますように。アーメン。