ぼくんちシンデレラ城の前にあるんだよ!!

まさるが住む町は都内でも指折りの治安が悪い地区なので、駅前にラブホテルが乱立しています。
なかでも異彩を放つのが「シンデレラ○○」というホテル。


駅前からすこし、ほんのすこしだけ裏に入ったところ。民家に囲まれた路地に、ドン。
漂流教室かってくらい尋常じゃない違和感の中、そびえ立ってるんですホテルが。
ほんとに民家に囲まれた普通の細い路地なんですよ。
でも周りが暗くなるとその路地だけパープルの照明でヤケに明るくなる。
その照明の中、ひっつきまくった男女がなんともいえない生臭さを醸し出しホテルに出入りする目の前で、小さな子どもがロウセキで○書いてケンケンパしてるような狂った空間なわけです。


家賃やっすいんだろうなぁ。
小学校入ったらね、自慢すんだよ多分。
「ねーねー!ぼくんちシンデレラのおしろのそばなんだよ!!」
「すっげぇ!みんな、きょうまさるんくんちいこうぜ!!」
「「「おーーーーー!!!!」」」


で、ブルーな思い出作って帰ってくる。
親に泣きつく。びゃああああって。
「…どうしてシンデレラのおしろにはいっちゃいけないの?どうしてぼくとあそんだらいけないの?」
「まさる、ここはね、夢と魔法の国じゃないの。現実なのよ」


うわ、書いてて俺がブルーになってきた。